2014/12/27

河原散歩

バルセロナは大きな街といっても東京とかに比べたらずっと小さいので、もちろん街の反対側まで行けとか言われたら地下鉄を使うけれど、案外どこでも歩いていけてしまう。地下鉄もまあそれなりの密度で走っているので、とりあえず歩いて帰りは地下鉄ということも気楽にできるわけだ。夜El Clotまで歩いてバルに行き、そのあと家とは反対方向に向かって歩いた。
まあベタだけど、やっぱり画になるなぁ。見た目がなんといっても派手だもの。この特徴的な4本の尖塔を遥かに凌ぐ高さの巨大な塔が完成時には中央に聳え立つわけだけど、さぞ見ものだろう。正直家からSagrada Familiaまで歩けといわれると、ちょっと面倒くさい距離になるんだけど、この日みたいに途中でバルに入ったりするとちょうどいい散歩コースだ。帰りは地下鉄で。

正面まで行って生誕の門を眺めていると、丁度日本人のカップルがタクシーで乗り付けて「きれーっ!」を連発しながらタクシーを降りてきてそのまま写真を撮りまくって再びタクシーに乗り込んで去っていった。その間約2分。余りの素早さにすぐ隣に居たのに「写真撮りましょうか?」と声をかける暇もなかった。人がごった返していない状況なら割と私は声をかけちゃうんですよね(笑

2014/12/26

Tractatus figurarum 譜例音源

先日書いたようにTractatus Figurarumには譜例が含まれている。Tractatus Figurarumは10冊強の写本に残されていて、その中で3冊は理論書本文に追加した譜例を含み、そのうち2冊は規模が小さい上にほとんど判読できないが、セビリャのものは判読可能かつ追加譜例も多い。ここではこのセビリャの譜例をまとめてみる。

説明もある程度加えてはあるが詳細なものではない。その代わりに音源を添えておく。音源を聞く際に常に気に留めておくべきなのは、それがどのMensurationを持っているのかということだ。そうでないとこれらはただのつまらない音源の羅列に過ぎない。下声部がどのような分割をしていて、それに対して上声部が如何にそれと違った揺らぎを発生させているのか、というところに注聞すべきだろう。それぞれの例のMensurationは譜例の番号の横に表示してある。

Mensurationは
perfect tempus / major prolation = 9/8
perfect tempus / minor prolation = 3/4
imperfect tempus / major prolation = 6/8
imperfect tempus / minor prolation = 2/4
とそれぞれ同じ。

音源を上げてあるサーバーの調子によって再生に時間が掛かる場合がある。しばらく待っても再生されない場合はページを更新してください。

2014/12/22

バルセロナで見かけたツリー

日々何かと色々あるのに、ここに書くネタが見つからない。そんな最近。
まあクリスマスシーズンなので中心街に行くと人でごった返している。こんなツリーが飾ってあった。何だこの色彩センスは!(笑
 
ちなみに青い文字のところが電光掲示板みたいになってて文字がぐるぐる回ってます。なので文字がピンボケ状態なのです(笑
バルセロナはなんだかいつも賑やかなので、クリスマスだからどうということは余りないのだけど、やはり行きかう人の流れがなんだかそわそわしている:)

2014/12/15

図書館まで散歩

あいにく今日は雨なので、晴れたときの写真で気分だけ晴れた気になる。

今住んでるのはBac de Rodaという地区なのだけど、ここは市内どこにでも行きやすくて便利。地下鉄は駅まで歩いて1分の紫線だけだけど、これ一本で用事のあるところはほとんどカバーできてしまうし、El Clot駅まで10分ちょっと歩けばそこで赤線にも乗れてしまう。

あと便利というか気に入ってるのは以前通っていた音楽学校のESMuCまで散歩ついでに行けてしまうこと。学校に用事があるわけじゃないのだけど、図書館があるのです。まあ電車乗った方が早いのだけど、天気がよければ歩いてもいいなという距離なので、実際に歩いてみた。

Bac de Rodaを含めてバルセロナを海から見て右側は比較的新しい市街地なので、今まで住んだことのあるEixampleやGracia、Santsとは町並みが大きく異なっている。

左がGran Via、右がDiagonalという通り。Granviaはバルセロナを真横に貫いてる大きな通り。DiagonalはDiagonal(対角線)という名前の通り、斜めにバルセロナを貫いている大きな通り。この街のEixampleという地区は京都や札幌のように、碁盤の目のような区画整理がされているので斜めに走っている道は対角線としての役割があるのですね:)

Disseny博物館。ディズニー博物館ではない(笑  Dissenyというのはカタルーニャ語でデザインという意味。つまりデザイン博物館ですね(museu de disseny barcelona)。
まあ見た目はディズニーというよりもスターウォーズに近い。
うむ。完全に一致。

んで、そのお向かい。

Encants市場。この屋根の下にお店がいっぱいあるわけです。見えにくいけど天井が鏡になっているので、なんとなく中の様子が分かるでしょうか。。。ちょうど目の前の市電の駅に電車が到着しました。

ここまで来るとESMuCはもう目の前。図書館で閲覧する本のことを考え始めて写真を撮るのを忘れました。唯一撮った写真がこれ。
図書館のコピー室に設置してあるコピーカード自動発行機。
"Equipament FORA de SERVEI" つまり、故障中につき使用不可。と書いてあります。
いやいやいやいや、これ私が前に住んでたときから故障中じゃなかったっけ? だとすると少なくとも7年壊れっぱなしということだ。もうね、素直に取り外しなさいよ(笑



2014/12/13

アルス・スブティリオル。音楽史講義の思い出。

昨日書いた記事のアルス・スブティリオルというキーワードで大学に通ってた頃のことを思い出した。音楽学部の学生だったので当然のことながら必修に音楽史の講義がある。グレゴリオ聖歌の辺りから近代に至るまで1年かけてその歴史の流れを見ていくわけだ。

当然その中には中世も含まれていて、アルス・ノヴァやアルス・スブティリオルにも触れる。スブティリオルの回になって、授業をしていた教授が極端に複雑なリズムの音楽が作られました的な説明を一通りした後に、例として Matteo da PerugiaのLe greygnour bienのCDをかけた。

まあこの曲はMatteoの中でも複雑なほう。しかもCantusがソロイスティックではなく、3声全体が複雑に絡み合っているのでスブティリオルの例としては適切ではあるのだけど、演奏が良く言えば非常に音価に忠実、悪く言えば機械的な演奏だった。まだ大学1年の頃で私も中世音楽にはほとんど触れたことがなく、はっきり言って意味不明な音楽だった。

たまたまその時に隣に座っていたピアノ科の女の子2人が辺りに聞こえないように囁き合っていたのが聞こえてしまったのだが、それを今でも忘れられない。声の主やその顔すら思い出せないけど、かなり正確にその声まで頭の中で再生できる。

「ねえ、これ、合ってないよね!?」

古楽科一期生としてはここぞとばかり「ふぅ、これだからモダンの人は・・・」的な表情を誰に向けるでもなくしていたが内心、

「そうだよね! これ合ってないよね! 」

って思ってました。ごめんなさい!(笑

それがいつの間にか実際にこの Le greygnour bienをコンサートで演奏したりするようになりました。何があるか分からないものですね(笑

ま、今回も思い出話は1つずつということでこの辺で:)



2014/12/12

机の明るさとその効能

テーブル用の明かりを買った。部屋の明かりだけでは手元が暗かったからだ。使い始めてもうすぐ1週間なのだけど、もうこれなしでは本も読めなければ何もできない。やっぱり手元が明るいっていいね:)

購入先は・・・やっぱりIKEAです(笑
別にIKEAのファンってわけではないのだけど、先日書いたとおり行きたかった照明屋さんが見つからなかったのです。ま、安かったのでOK:) これで1,000円位。電球の方が高くて1,500円位だった。

ここ何日かTractatus Figurarumという記譜法に関する理論書を自分用に日本語にしていたのだけど、終わりが見えたぞ!と思って昨日はそればかりやっていた。朝から始めて昼はマンションの1階にある安ケバブで済ませ、終わったらもう夜だった。気が緩んだ途端に画面と本を見続けた目に激しい疲労を感じる。脳みそもふにゃふにゃになっていたので、ワインを飲んでさらにふにゃふにゃに(笑
読み返さなきゃいけないんだけど、どうせまともなチェックもできなかっただろうしね(笑

ちなみにこのTractatus Figurarumという理論書はArs Subtiliorのレパートリーを扱う際に重要なコンセプトを示してくれる理論書なのです。まあやっぱり自分の好きなジャンル、しかも演奏に直結するような内容だと、読んでて楽しいですよね:) そもそもこのアルス・スブティリオルって名称もこの理論書の記述が根拠になっています。中世音楽、特に中世末期の音楽にアプローチするときには、短い論文ですし、一度目を通して見ると面白いかもしれません:)
この理論書も譜例がついているので文章読むのめんどくさーいという私みたいな人にもお勧めです(笑 ただし、定量記譜法の基礎知識は必要ですけれど:) この理論書とBerkeley写本にも目を通せるといいですね:)

もうちょっとちゃんと読み込んだら何かここに書けるかもしれません:)
今回は理論書の紹介ということでこの辺で。



2014/12/10

強風とコーヒー

昨日はとんでもなく強い風が吹いていた。コピー屋さんに出かけたら木の葉やら塵やらが真横にすっ飛んでいた。バルコニーのカーテンは一日中バタバタとうるさかった。天気だけは良かったから、出かけたいなと思っても実際には用事がなければ家にいたいと思わせる有様だった。

今日になってマンションの1階にあるパン屋にコーヒーを飲みにいったら新聞がおいてあった。1面トップは昨日の強風に関する記事だった。死者が3人も出てしまったようだ。なんてこと。強風で倒された壁の下敷きになってしまったようだ。他にも線路上に倒れていた木に電車が突っ込み、運転席が串刺しになって運転手が重症とか、バルセロナだけでも100本以上の街路樹が倒れたりとかカタルーニャ州に吹き荒れた暴風は大きな傷跡を残していったようだ。亡くなった方にはご冥福をお祈りします。

新聞には州各地の風速も出ていて、大体風速100km/h~120km/hという風が吹き荒れていたようだ。局地的にはもっと強い風が吹いていたところもあるみたいだ。こちらの風速表示は時速なので、日本の秒速に直すと大体30m強といったところか。台風に慣れている日本人にとっては、強風だが物凄いというわけではない(危険ではある)という数字になる。

不思議なのはあんなに強く吹いていた風が今日になったらすっかり凪いでしまっていることだ。台風一過みたいだ。

マンションの1階にあるパン屋さんで朝コーヒーを飲んでいるのだけど、昨日起きてすぐに降りていったら、余りにも眠そうな顔をしていたのだろうか、何も注文していないのにcortado (コーヒーに牛乳が少しだけ入ってる)が出てきた。
いつもそれしか頼まないからそれで合ってるのだけど、逆に他のが欲しいときにもそれが勝手に出てきたら困るな(笑




2014/12/07

Marchettoの全音分割

たまにここで例に出しているMarchetto da PadovaのLucidariumには興味深い全音の分割に関する論述がある。適当に引用してみる。特にblogに書くネタもないので、適当に引用してお茶を濁そうという魂胆が丸見えではある(笑
とはいえ、以前やっていた延々と中世の理論書を翻訳して行くという、誰が読むんだというブログ(実はこのブログは2回目の挑戦なのです)では翻訳しなかった箇所なので、まあ誰か興味のある人はいるかな、というくらいの軽い気持ちで行きます。かなり気楽に読む用の意訳なので、より正確を期したい人はTMLやHerlingerの本を見てくださいね。不必要と思った項も飛ばしてあります。

> このマークの後が私の書き込みです

2014/12/03

グラシア地区

昨日はバルセロナのグラシアという地区をぶらぶらと歩き回った。まあ買い物とかあまり好きな方ではないので、ぶらぶらしたくて訪れたわけではなく、机の上の照明を買いたくて以前見かけたことのある照明屋を探して結果的にぶらぶらすることになったのだ。結局、その店は見つからずじまいで、本当にただぶらぶらと歩き回るだけになってしまった。

このグラシア地区はミラノに行く前に住んでいた地区なので、なじみが薄い地区ではないのだが、もう何年も歩き回ることはしていなかったので、なんだか新しいお店やらバーやらが増えていて中々面白かった。

特にバーが増えたように思う。昔から飲み屋が多い地区として有名なので数は多いのだが、なんだかおしゃれなバーが増えた。ま、おしゃれとは縁の遠い人間なのでだからなんだという気もするが、なんだかちょっと入ってみたいという気楽なおしゃれな感じのお店が増えた気がする。


というおしゃれ話のついでに、全くおしゃれではない写真を貼っておこうと思う。私が住んでいた頃からあるお店なのだけど、誰も指摘しないのかしら。まあいまさら直すのも、ということなのかしら。


2014/12/02

ファクシミリが安い日本

初めて購入した中世のファクシミリは Panciatichi26だった (ISBN-13: 978-8822230058)。ググって見ればわかることだけど中々お高い本だ。購入したのは大学生の頃で、育英会の奨学金を毎月4万円貰っていた私にとっては全く手が出る筈の無い本だった。

ある日、チェンバロのYさんとどこかのコンサートだったのかなんなのか、とにかく偶然アカデミアミュージックの近所を通ったので寄っていこうという話になり立ち寄った。実のところ、その時初めてアカデミアに足を運んで、その後一度も行っていない。

2014/12/01

Les Très Riches Heures du Duc de Berry / 12月

12月になったのでLes Très Riches Heures du Duc de Berryから12月のページをリンク。

イノシシ狩りの様子ですね。真ん中の人物が犬を後ろから掴んでいる様子がとても躍動感があります。犬をイノシシから引き離しているのでしょうか。まだ犬の口からは涎が滴っています。それと左側の人物は何かを言っていますね。表情からして何か不平をもらしているのでしょうか。

左から
「おいそこの犬が獲物を食べ始めてるぞ、引き離せ」
「よしわかった」
「角笛(捕まえたぞー)」
という会話でもしているのでしょうか。